夜間診療をしていると、その半数以上の患者さんがいわゆる「かぜ」で受診します。
では、かぜの定義は何でしょうか?
本によっていろいろな書き方がありますが、シンプルに定義すると、
「自然によくなる上気道のウィルス性感染症」
になります。
かぜの原因ウィルスは、アデノウィルス、コクサッキーウィルス、RSウィルス、エコーウィルス、ライノウィルス、コロナウィルス・・・などなど多数あります。実際の診療では、どのウィルスに感染しているのかを同定することはできません。ウィルスに対する薬があるわけでもなく、自然によくなるので、同定する必要がないと言ってもいいでしょう。
では、「かぜ」に対して医師が診る役割は何でしょうか?
「かぜ」のような症状に紛れ込んでいる、重篤な病気を見極めること、特に抗生物質が必要な細菌感染症がないかの判断をするのが医師の役割であると考えています。
自然によくなると言っても、咳、鼻汁、咽頭痛などの症状に苦しみながら、日常生活を送るのは大変つらいことです。症状が軽くなるような薬を処方するのも、医師の役割です。
「かぜ」は予防が一番です!昔から言われている「うがい」「手洗い」は今でも推奨される方法です。
季節に関わらず、「うがい」「手洗い」を励行しましょう!